トップページ > 医療従事者ががん患者になった話 > がん発覚から2年8ヶ月3週目〜自分にとって大切なもの〜

2025.05.14

がん発覚から2年8ヶ月3週目〜自分にとって大切なもの〜

がん発覚後、いろいろと自分のものを整理してきました。

物は捨てれば良いのだけど、クレジットカードや引き落としの口座の手続きなどは自分がやっておかないと後々面倒なことも多い。服やスニーカーは息子が大きくなってくれたので、使ってくれそう。

1番困ったのが大型バイク。月末に車検がやってくる。消耗品の劣化もあり、車検を通すには10万円以上かかる…。仮に車検を通したとして、標準治療が終わった今、あと何回乗れるのか。 持っていても維持費はかかる… さて、どうしたものか?

6年前、母もがんで63歳の時に他界。 その時にあらためて「人は死ぬ。やりたいことはやれる時にやっておこう」と、子育て中に贅沢だと思いながらも、奥さんにお願いして40歳過ぎて大型二輪免許を取得して購入した今のバイク。ETCやUSBも付けてどこか遠くまで!と思っていたけど、なかなかツーリングには行けず、ほぼ通勤で乗るだけ。でも、それでも楽しく、自分にとってなくてはならない物。

抗がん剤治療が始まり、副作用が強くなると、しびれや筋力低下、皮膚障害などで、とてもバイクに乗れる状態でない日も多くありました。それだけに、たまに乗るバイクは最高の癒しになっています。

さて、どうするか… でも、いろいろな状況を考えると…

うーん…

うーーん…

うーーーん、

大型バイクの売却を想定してみた。・・・やっぱり手元にはバイクを置いておきたい!16歳で二輪の免許取ってから、家には必ずバイクが停めてあるのがあたりまえの日常。我が家の車庫にバイクがないのは、やっぱりありえない!

そこで車検のない250ccに乗り換えることに決めました。 今のバイクを買い取りしてもらった分で、250ccバイクに乗り換えられれば、出費もない!そして、候補に思いついたのが、お義父さんが欲しいと言っていたバイク。病気が見つかってから、 奥さんのご両親には世話になりっぱなし。せめてものお礼に自分が亡くなった後に、引き継いで乗ってもらえたら。数年経てば、息子たちが大学生になって乗り継いでくれるかもしれない。バイク屋で事情を話し、持ち出しがないようにと探してもらいました。

カテーテル治療のあと、退院した日に愛車と引き換えに納車。 排気量はガクッと落ち、前のバイクの方が断然いいけど、走りは人気車だけあって悪くない。生きてるうちは、もちろん私のバイク。新しい相方です。しばらくは自分好みにカスタムすることを楽しみにしようと思います。

自分にとってどんなバイクであっても、車庫にあって「いつでも乗って走っていける」と思えるのが大事なことなんだろうなと思いました。

あなたにとって大事な物、どうしてもなくてはならないものってなんですか?

※このブログは、作者の記事作成日から約半年遅れて掲載しています。

※治療の方針はひとによって異なります。本ブログの治療方針や経過が、あなたにも適用されるとは限りません。

医療従事者ががん患者になった話一覧に戻る