初回の化学療法から2週間目。
外来での化学療法のため受診。
採血を終えて、診察を受ける。
主治医「残念ですが今日は化学療法ができません。」
私「え??」
主治医「好中球が少ないです。これくらいだとできないです。」
好中球とは、身体を感染から守ってくれる免疫細胞のことです。
抗がん剤の影響で免疫細胞の数が基準よりも少なくなっているのです。
この状態で抗がん剤をしてしまうとさらに免疫細胞を減らしてしまい、感染しやすくなり、病気にかかっても免疫細胞が少ないので重症化してしまう可能性が高くなってしまうのです。
他の数値は良くなっていたので、このまま続けていければガンを小さくしていけるのではないかと期待していただけにちょっとショック。しかし、化学療法後の経過日数が長くなると副作用の影響も少なくなり、普段に近い状態で動けるので、ポジティブにとらえ何か今のうちにできることをやっていこう。
好中球・・・好中球とは白血球の中にあり白血球の約50%を占めています。
細菌などの感染の原因となる病原体を排除する役割を担っていて、がんの治療に用いる薬の副作用によってこの好中球が少なくなります。
(4/6のブログに書いた抗がん剤の副作用のうち骨髄抑制の状態です)
つづく
手続きや簡単な引き継ぎなどのため2週間ぶりに職場へ行く。
朝、久しぶりに髪の毛をセットしていると、
つまんだところから、ごっそり髪が抜ける!!
(パラパラと)抜け毛のレベルではなく、
つまんだ分そのまま抜ける感じ。
痛みは全くなく、すっぽり抜ける。
セットしようにも、指につけたワックスにまとわりつくように
どんどん抜けてくる。
脱毛だ!!
副作用には2週間後ぐらいから脱毛が始まると聞いてはいたが、
きっちり2週間で抜け始めた。
両祖父ともどちらかというと剛毛で自分も髪の量は多い方なので、
今まで抜け毛を気にしたこともないし、気にしないタイプと思っていました。
でも、実際に抜けるとやっぱりショック!
これだけ抜けると、抜け毛がちらかって大変かと思い、
奥さんに「今日、職場の帰りに坊主にしてくるわ」と話して職場へ。
すると、午前中に奥さんからLINE、
「今日の夕方、写真館の予約を取ったから髪切るのを待って!」と。
今年、娘の七五三だったのですが、自分の病気のせいでお詣りや写真撮影もできていませんでした。そして、私の「やりたいこと」の一つに「写真館で家族写真を撮る」という話をしていたので、急遽写真館を探して予約してくれたのです。
すばらしい!
夕方、子供たちの習い事はお休みにして、
髪の毛のあるうちに娘の七五三の写真と家族写真を撮りに行きました。
家族写真は普通バージョンに加え、
私の希望でミニバスケットボールのユニフォームで写真を撮りました。
ひとつ、やりたかったことを達成☆
奥さんのおかげで良い家族写真が撮れました。
本当に感謝、感謝。
抜け毛の様子
10/25 10/26 10/31
*翌日に坊主に散髪にしましたが、そこから抜けてまだらに。病人感が強いので、娘に手伝ってもらってバリカンとひげそりでスキンヘッドの状態になりました。
意外にも娘からは「かわいい」と好評でした。NBA(アメリカのプロバスケットボール)が好きな私としては、マイケルジョーダンのようなかっこいいスキンヘッドになればと思ったのですが、典型的な日本人顔なのでお坊さんのようにしかなりませんでした。残念。
つづく
がんが見つかったときは
「まさか自分が?」「こんな歳で?」
と、信じられませんでした。
職場では春と秋に職員健診があります。
今まで特に何かで引っ掛かったことはなく、
がんが見つかる半年前も特に指摘されるような項目はありませんでした。
「なんで、自分が!?」ってなりますよね。
どうすればもっと早く気づけたのか?なんて考えてみるのですが、
がんがみつかる直前まで特に症状もなく、それまでの採血の結果も問題ないとなると
受診することはありません。
唯一、早期発見出来る可能性があったとすれば、それは人間ドックを受けることでした。
これでしか自分のがんを見つけることはできなかったと思います。
2~3年に一回、当院で受けていたのですが、この2年は業務の忙しさもあって、
人間ドックを受けていませんでした。
最後に受けた人間ドックでも胃カメラは実施していたのですが、
大腸カメラ(大腸ファイバー)は受けていませんでした。
定期的に人間ドックを受けて、大腸カメラ(大腸ファイバー)もしていれば、
早期発見できて、手術もでき根治も期待できる状態だったかもしれません。
がんだけでなく、早期発見、早期治療でよくなる病気はたくさんあります。
このブログを見てくださっている方々は、
ぜひ、これを機に定期健診だけでなく人間ドックを受けてほしいと思います。
なにもなければ、それでよし!
何かあっても、早く見つかってラッキー!
受けない理由はなんですか?
・忙しい
→1日くらい休めるでしょ。病気になったら働けませんよ。
・そのうち行こうと思っている。
→「そのうち」はいつまでもやってきません。いつ行くの?今でしょ!
まず予約しましょう。
・自分は大丈夫
→本当ですか?大丈夫なのを確認しに行きましょう!
がんになって約半年。
治療には自分だけでなく、家族や周りの人たちにも心身共に大きな負担をかけてしまいます。自分のような経験をする人は少しでも減って欲しいと強く思います。
自分のため、大切な人のために、人間ドックを受けましょう。
定期健診・・・「労働安全衛生法」に基づいて義務付けられている毎年定期的に行われる検査で検査項目は限られています。
人間ドック・・・病気の予防や早期発見のために行われる検査で定期健診とは異なり人間ドックを受ける判断は個人に委ねられ定期健診にはない項目が多く含まれています。
(たとえばCT・超音波検査・胃カメラ・大腸カメラなど)
我ながらベタであると思いながら、以前から観たかった映画「最高の人生の見つけ方」を入院中に観ていました。
話は傲慢な実業家の男と心優しい整備工が病院で同室となる。2人はがんを患い、余命半年。ある日、整備工が死ぬまでにやりたいことを記した「棺桶リスト」を実業家の男がみつける。生涯やり残したことをかなえるために、後悔を棺桶にもちこまないために、最高の人生だったとほほえむために、2人で生涯最後の冒険旅行にでかけるというもの。
これは吉永小百合さんと天海祐希さんの主演の日本版もあり、個人的には、日本版のほうが親近感もあってグッときました。
「人生でやり残したことはないか?」「死ぬまでにやりたいことは?」
とりあえず、携帯のメモに書き出してみることにしました。
いくつか書き出しましたが、意外と思いつかない…。
まあまあ、やりたいことやってきたし、けっこう幸せな人生ってことか。
ただ、考えていると「やりたいこと」よりも「やっとかないといけないこと」がどんどん出てくる。
仕事の引き継ぎ、公共料金やらの支払い口座の変更、ネット管理している登録アドレスの変更などなど。自分がいなくなったら困るであろう事務手続きがどんどん出てくる。
これを処理しないと「やりたいこと」どころではなく、死んでも死にきれません。
「やりたいことリスト」はどれもちょっと頑張れば、無理すれば今までに全然できたことで、それほど特別ではないことに気づく。
「いつかやろう」と思っていると、その日はやってこない。
人生は有限「いつやるの?」「今でしょ!」
元気があれば何でもできる!
健康じゃないとできないこともある。
みなさんも今、やりたいことがある人は、それが実現可能であるなら、ぜひ今から予定を立ててやってみてはどうでしょう。
といいつつも、自分はとりあえず周りが困らないように「やっとかないとリスト」から。
もちろん、「やりたいことリスト」もコンプリートしてやろうと思います(ニヤリ)。
つづく