MRIは従来からの放射線を使用した検査機器ではなく、強力な磁気を機械内で発生させることにより人体の情報を画像化するものです。
したがって皆様がよく心配される放射線による被曝がまったく無く、小児の方にも安心して検査を受けていただくことができます。
MRIの最大の特徴は被曝が無いことに加え、いろいろな方向から写真をとることができる、あるいは人体の血管の写真が簡単に得られることなどがあります。例えば椎間板ヘルニアなどの診断の為に、頚椎や腰椎のMRI検査は非常に有効ですし、肩や膝等の整形領域に特に大きな威力を発揮します。また動脈硬化等によって起こる血管狭窄を調べるための胸部、腹部の大血管や下肢動脈の血管の検査も日常行われていますし、クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤(脳血管のコブ)の発見や、めまいなどの種々の頭部症状の原因を追求するために、頭部血管MRIも最も頻繁に行われている検査の一つです。
それ以外にもMRIの持つ分解能(画像の細かさ)を利用して胆嚢や軟部組織、あるいは神経系などあらゆる分野に利用されています。
CT検査は皆さんがもっともよく耳にする検査ではないでしょうか。放射線科で一番検査数が多いのがこのCT検査です。それだけ良好な画像が安定して得られる検査として認識されているという事なのです。
当院のCTはMDCT(64列・ボリュームCT)です。胸部・腹部であれば約3秒で撮影がすむため、一回の息止めで断層像を得る事が出来ます。
脳卒中等の緊急の頭部や肺の検査にはまずこのCT検査が第一選択として選ばれます。特に肺がん・アスベストの精密検査、腹部の一般的な検査には無くてはならない検査となっています。
また新たに心臓血管をCTで、撮影出来るようになりました。整形領域においても微細な骨折の診断等に威力を発揮します。
RI検査は体内に放射線核種という薬剤を検査前に投与し、人体から出てくる放射線を機械で収集しそれを画像化するものです。
こう書きますとどことなく恐ろしい検査のように見えますが、注射する放射線核種の量はごく微量ですし、時間とともにどんどん体内から排出されて行きますので、非常に安全で副作用(将来的な副作用も含む)等もありません。検査自体は簡単に行えるのですが、使用する薬が比較的高額ということもあり、精密検査的な色合いが強い検査となっています。
当院では心筋梗塞や狭心症の診断目的に行う心臓の検査や、手術前あるいは手術後の全身状態の検索を目的とした検査に最もよく使用されています。
心臓の病気に伴う心筋(心臓の壁)の血流の状態を画像として捉えることのできる唯一の検査ですので、循環器病疾患の方には欠かせません。
また乳がんやその他のがんの骨あるいは多臓器への転移の有無の確認にも欠かせない検査となっております。その他、頭部、肺、腎臓、甲状腺などの機能検査にもよく使用されています。
連続X線血管撮影装置(DSA)は造影剤という薬剤を使用することによって、体内の血管を調べる検査であり、また検査だけに留まらず治療を目的としても使用されています。放射線科の検査の中では最も精密検査的な色合いの強い検査となっています。
特に当院では心筋梗塞などに伴う心臓血管の狭窄を調べたり、狭窄が発見されればバルーン(風船)を心臓血管内で膨らませ、血管を拡張する治療術(PTCA)などもこの装置を使い行われています。
それ以外にも肝臓や腎臓、下腹部臓器血管の検査にもよく使用され、例えば肝臓のがんなどを栄養としている血管を写し出しながら、その血管を直接ゲルフォームなどで塞栓させてしまうとか、がん組織に直接薬剤を注入するなどのがん治療の機器としても使われます。
乳房は比較的柔らかい組織でできているために、特殊なエックス線撮影装置やフィルムを使って撮影をします。
医師が乳房撮影を必要と判断した場合に、一般的には両方の乳房を方向を変えて撮影を行います。
乳房にできる腫瘍には、良性の場合もあれば悪性の場合もありますが、そのほとんどはマンモグラフィで見つけることができます。また、しこりがある場合に、写真をみてそれがどういうものかを判断したりあるいは触診では見つからない病変を見つけることもあります。
マンモグラフィの撮影は、乳房をなるべく均等に圧迫して行いますが、そのためかなり痛い思いをされる方もいらっしゃいます。でもこれは良い写真を撮るためにとても大切なことなのです。
1/10ミリ程度の小さな病変の発見も可能とされるマンモグラフィは、早期の乳がん診断のために非常に有効な方法です。
(写真提供:GE横河メディカルシステム)
動脈硬化の程度を検査します。