令和3年度 川崎 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 9 60 69 67 138 297 565 1160 1253 400
地域支援病院である当院では、総合的な医療提供を行い、幅広い年齢層の患者さまにご利用いただいております。
2020度と比較しますと、2021年9月から、6つある病棟の1つをコロナ専用病床としたことにより、若年層の
入院患者さまが増加する傾向となりました。
その影響もあり、70歳以上のご高齢の入院患者さまの占める割合は約60%となっております。(60歳以上では全体の約75%)
現代社会の高齢化を鑑み、2021度より訪問診療を開始させるとともに、在宅療養後方支援病院となり、地域のクリニックとの
連携を強めてまいりました。
地域医療の中心として、患者さまに合わせたさらなる医療提供が行えるよう取り組んでまいります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 127 21.76 13.14 3.94 83.49
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 105 30.62 20.57 20.95 84.5
060340xx03x00x 肝胆(肝内外)結石、肝胆炎 71 14.24 9.21 4.23 77.76
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 41 7.1 7.74 0 70.76
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 39 24.59 10.39 12.82 73.33
内科は、糖尿病内分泌内科・血液腫瘍科・腎臓内科・消化器内科・総合診療科と多岐に亘る専門資格を有する常勤医師が勤務しており、それぞれの専門性だけでなく、相互に情報共有・連携し、総合的な診断・治療を提供できる体制を整えており、入院する患者さまの疾病は広範囲に及んでいます。
内科疾患は高齢の患者さまが大半を占めることもあり、症例数として多いのは、高齢化に伴い罹患する方が増加する腎・尿路系の感染症疾患や誤嚥性肺炎、胆管結石・胆管炎となります。
急性期治療を行った後の経過観察・継続加療が必要な患者さまは、在宅にお帰りになるまでの維持的治療期間として比較的長期に入院加療を行える地域包括ケア病棟を利用していただくことが多く、他施設と比較すると少し長めの在院日数となる傾向となっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 128 4.36 4.26 0.78 69.16
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 90 3.06 3.21 1.11 71.04
050130xx9900xx 心不全 77 17.35 27.52 3.9 82.87
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 47 4.79 5.87 0 67.72
050210xx97000x 徐脈性不整脈 36 10.24 13.5 11.11 80.89
主に心臓疾患を対象とした診療科である循環器内科は狭心症や慢性の虚血性心疾患の血管内治療(経皮的冠動脈形成術=PCI)を必要とする患者さまが最も多くなっています。また、PCI後のフォローアップ検査や定期的な経過観察など、継続的な疾患の管理を行っており、そういった患者さまを含めると、200名以上の狭心症等の患者さまの入院加療を行っています。次いで、心不全ならびに不整脈の患者さまが上位を占めています。
当院では、心房細動など不整脈に対するアブレーション治療(心筋焼灼術)にも力を入れています。
循環器内科は、24時間体制で緊急カテーテル治療が行えるなど、急性心筋梗塞等の緊急性の高い疾患に対しても早期の治療提供が行える体制を整えており、シンチグラフィをはじめとした、定期的なフォローアップを行うなど、安全で安心な循環器医療の提供を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 35 8.91 7.11 0 67.29
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 34 6.5 4.74 0 72.91
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 25 21.36 15.76 0 79.52
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 18 3.39 4.25 0 69.72
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 17 7.88 8.04 5.88 78.65
外科では消化器内科と連携を取りながら主に消化器領域の治療を行っております。中でも、悪性腫瘍(がん)の治療に力を入れており、手術を中心とした外科的治療ならびに抗がん剤による薬物治療を行っています。入院患者で最も多いのは胆嚢炎等の患者さまですが、近年は大腸がん(結腸、直腸など)の患者さまが増えており、地域の高齢化とともにこの傾向はますます強くなってくると思われます。また、結腸の悪性腫瘍については緊急入院の患者さまや高齢の患者さまが多いこともあり、平均在宅日数が全国平均より長くなる傾向にあります。
大腸がん、胃がんを始めとする消化器がんに対しては、低侵襲(傷の小さい)である腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。大腸がん、胃がん以外にも肝がん、膵がん、胆道がんなど消化器領域全般に対するがん治療を行っており、それ以外にも、胆石症や鼠径ヘルニアなどの消化器疾患や急性虫垂炎や腸閉塞などの緊急入院も積極的に受け入れています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 79 38.71 25.32 25.32 83.39
160760xx97xx0x 前腕の骨折 22 3.95 4.99 9.09 58.77
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 20 47.15 23.02 74
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 19 30.84 18.36 0 53.05
160980xx99x0xx 骨盤損傷 15 42.67 19.02 0 83
整形外科では、股関節骨折の患者さまが大部分を占めています。次いで、前腕の骨折や膝関節症の患者さまとなっています。
近年、整形外科の中でも関節、骨折、脊椎など詳細領域の細分化が進んでおりますが、当院ではそれぞれの領域において専門医師が常勤で勤務しており、広範囲に亘る整形疾患の対応を行っています。
中でも小児整形外科や手のけがなど、スポーツによるけがや障害に対応する、スポーツ医学を得意としているところが強みとなっています。
また、当院は手術後の患者さまを中心として、在宅復帰に向けた準備を行う地域包括ケア病棟を有しており、手術後早期に地域包括ケア病棟に転棟していただき、在宅復帰に向けたリハビリ等を行っています。そのため、平均在院日数は全国平均より長くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 26 5.35 4.01 0 54.54
070071xx97xxxx 骨髄炎(上肢以外) 12 41.42 34.28 25 67.67
080010xxxx0xxx 膿皮症 - - 13.07 - -
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) - - 5.16 - -
161000x102x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) - - 24.65 - -
当院形成外科では、皮膚腫瘍や膿皮症などの炎症・変性疾患の切除などが多くなりますが、熱傷や顔面外傷などの損傷に加え
糖尿病性足潰瘍などに伴う骨髄炎といった難治性の創傷の治療を積極的に行っています。また、自科入院のみならず他診療科からの相談も頻繁にあり
チームとして患者様の治療にあたっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 333 3.31 2.71 0.6 76
020290xx97xxxx 涙器の疾患 38 6.32 9.56 0 72.05
020240xx97xxx0 硝子体疾患 - - 5.36 - -
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 - - 4.83 - -
020200xx9700xx 網膜剥離 - - 8.48 - -
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 3 10 38 8 8 1 8
大腸癌 20 28 45 61 10 40 2
乳癌 0 0 0 0 0 0 1
肺癌 1 1 3 8 1 2 1 8
肝癌 0 3 1 1 2 2 2
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
「兵庫県がん診療連携準拠点病院」である当院は、健診~診断~治療~終末期にいたる一連のがん医療を提供しています。
がんの早期発見・がん予防への貢献のために、健診センターでは、各種検診・人間ドック・がんに特化したオプション検査などを行っています。
診断・治療については、手術による外科的治療をはじめとして、抗がん剤による薬物療法などがんの進行度や患者さまの状態や生活環境に合わせた治療法を選択し総合的に管理しています。また、医師ならびに看護師、薬剤師等の多職種による緩和ケアチーム活動を開始しており、治療が困難とされたがん患者さまの精神的・身体的苦痛を和らげる緩和ケア治療の体制も整えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 5 6.6 50
中等症 43 18.65 80.86
重症 21 4329 86
超重症 1 20 95
不明 0 0 0
市中肺炎の患者さまは、2021年度については総数で70名(前年度:73名)と前年度と大きく変わりありません。
2021年度はコロナ専用病床を有するなど、機能変換による制限があったため、コロナ前と比較すると減少した状態が続いています。
2021年度は中等症の患者さまが最も多いものの、重症度が高い患者さまが増加し、平均在院日数も大幅に長くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 17 34.12 76.53 28.57
その他 4 59.5 79 14.29
当院は脳神経外科がないため、外科的治療が必要な患者さまは入院後早期に他院へ転院していただき、内科的治療適応の患者さまが長期の治療を行っています。
当院では80%以上が発症3日以内に入院となり治療を開始しています。また、地域の専門病院と連携を強化することで、入院前に他院へ紹介等を行っています。
発症から3日以内の患者さまは年々減少傾向となっている一方で、他院にて集中的な治療の後、当院で継続して治療をする患者さまは増加傾向にあります。
高齢の患者さまが多いこともあり、在院日数が長くなっており、リハビリ病院への転院も多くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 52 4.79 9.63 5.77 75.17
K6871 内視鏡的乳頭拡張術 46 3.74 17.15 8.7 78.7
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 45 2.62 17.4 6.67 79.84
K654 内視鏡的消化管止血術 22 4.55 14.55 13.64 77.64
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 19 1.21 5.11 0 74.58
内科では、内視鏡を用いた消化器系疾患に対する手術が大半となります。最も多いのは大腸内視鏡検査からつながる大腸ポリープ切除術で、次いで胆管炎等に対する内視鏡的乳頭切開術や内視鏡的胆道ステント留置術となっています。当院では、初期の胃がんや大腸がんに対しての粘膜下層の内視鏡的切除術が年々増加傾向にあり、がんの早期治療に力を注いでいます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0
異なる 3 0.08
180010 敗血症 同一 5 0.13
異なる 13 0.33
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 1 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 7 0.18
異なる 0 0
がんの手術を中心として大手術を多く実施する当院では、感染防止の専門の医療スタッフを配置し、感染予防に細心の注意をはらっています。また、起こり得る合併症については、事前に患者さまにご説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただいています。
全体的には、他院からの転院や様々な要因等も含めゼロにはできず、全退院患者のうち約1%を占めています。
敗血症は、他院よりその治療目的に転院してこられた患者さま、もしくは原疾患が重症化し敗血症を発症してから入院される患者さまも複数おられる状況となっています。
手術・術後の合併症は、患者さまの状態に係る要因や他院からの転院等も含めゼロにはできず、同一及び異なる契機併せて一定数の患者さまがおられます。内訳としては、手術後の出血、創部感染、人工関節脱臼、透析シャント狭窄等が主な合併症となっております。
更新履歴
2022/9/27
令和3年度 医療法人川崎病院 病院指標を公開しました。