当院は地域の救急中核病院である役割を担うべく、診療部門との連携によって発症、受傷後可能な限り早期からのリハビリテーションを開始し、患者様の速やかな身体機能の回復と早期自宅復帰や社会復帰を目指し、日々の業務に取り組んでいます。
運動器リハビリテーション(Ⅰ)、心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)、脳血管・廃用症候群リハビリテーション(Ⅱ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)、がんリハビリテーション
入院患者さんすべてがリハビリテーションの対象となります。各療法士が協力しながら、基本的動作能力や日常生活動作、歩行機能等の回復を図ります。また、患者様の状態に応じて医師、看護師、ソーシャルワーカーなどと目標設定を行い、病院内での連携はもちろんのこと、地域サービスなど介護支援等を考慮し、患者様にあった機能回復をめざし運動や支援を行います。
<整形疾患>
高齢者の転倒による骨折、変形性関節症などの関節疾患や脊椎疾患、腰痛症、腰部脊柱管狭窄症の患者様が多く、特に人工股関節・膝関節置換術の理学療法は手術前から積極的に行っています。
<循環器疾患>
心不全や狭心症、心筋梗塞などの患者さんに対し、医師、看護師、薬剤師、栄養士などと連携をとりながら、運動療法と学習活動・生活指導などを行っていきます。
外来では心臓リハビリテーションを実施しており、集団で適切な運動負荷で有酸素運動や筋力トレーニング、生活指導を定期的に行うことで、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指して行います。
【外来心臓リハビリテーションについて】
外来での心臓リハビリテーションは、2020年に開始しました。
その内容は、「CPX検査(Cardiopulmonary Exercise Training:心肺運動負荷実験)の結果を元に負荷強度を決定し、自転車エルゴメーターによる有酸素運動と、チューブによるレジスタンストレーニング、ストレッチを行う」というものです。加えて、当院作成の心不全手帳をもとに自宅での運動指導や看護師による生活指導も行っています。また、必要に応じて管理栄養士が栄養指導を行います。
(CPX検査とは)
「呼気ガス」分析を併用して行う運動負荷試験のこと。運動中の酸素濃度、二酸化炭素濃度、換気量をリアルタイムに計測します。この検査は、心臓のみ、肺のみ、など個別の臓器の機能を評価するものではなく、心臓・肺・骨格筋の総合的な機能を評価し、患者さんの体力(運動耐容能)を評価します。
CPX検査の様子
<内科系疾患>
高齢者は様々な疾患で入院し臥床時間が長くなると、心肺機能、筋力の低下が起ります。医師の指示のもと、症状にあわせて早期から離床・運動療法を行い、廃用症候群の予防と早期の身体機能の回復と退院をめざします。また、摂食・嚥下機能障害がある患者さんに対しては言語聴覚士が嚥下リハビリテーションを行っています。
<がん疾患>
がんの発症、手術や薬物療法など治療に伴う「身体機能の低下」などによって日常生活に必要な動作がしづらい、もしくはその可能性がある患者さんに、運動療法などのリハビリテーションを行います。術前の腹式呼吸法の指導、術後の早期離床などをおこない術後の合併症を予防します。また、抗がん剤治療中の患者様に対しては運動指導や栄養指導などADLやQOLの維持をめざします。
●スタッフ数
医師 |
4名 |
理学療法士 |
14名 |
作業療法士 |
3名 |
言語聴覚士 |
2名 |
リハビリ助手 |
1名 |
●取得認定資格
3学会合同呼吸療法認定士 |
2名 |
心臓リハビリテーション指導士 |
2名 |
心不全療養指導士 |
2名 |
がんリハビリテーション実践セミナー 研修終了者 |
9名 |
認定理学療法士(呼吸) |
1名 |
認定理学療法士(循環) |
1名 |
糖尿病療養指導士 |
2名 |
●その他の活動
療法士養成のための実習生受け入れを行っています
(麻生リハビリテーション専門学校、神戸学院大学等)