薬剤部ではこれらのチーム医療に参画することで、薬剤師の専門性を活かし、患者様の治療に貢献できるよう他の医療スタッフへの情報提供などを積極的に行っています。
抗がん薬治療を受けられる患者様は年々増加しています。安全かつ適正な抗がん薬治療を推進するべく医師・看護師・薬剤師からなるチームで取り組んでいます。チームでは、抗がん薬治療のプロトコル(投与薬剤、投与量、スケジュールなどを決めたもの)の審査を行い、担当薬剤師は電子カルテへ登録するとともに、患者さん向けの説明書を作成するなど、適正で安全な治療を患者さんに受けていただけるよう努めています。
がん患者様の痛みや様々な症状に対して医師・看護師などとともに専門的な視点でその緩和(痛みを和らげる)に努めています。定期的に症例検討・病棟回診のほか勉強会を開催しており、スタッフのレベルアップを図るだけでなく、地域医療との連携を深めています。
糖尿病教室では入院患者様を対象に、講義や運動・食事療法の実践などを行っています。薬剤師はそのうち週に1コマ約90分の薬物療法の講義を行っています。内容は、「血糖降下薬・インスリンについて」と、「低血糖、シックデイについて」です。また、外来患者様を対象にした糖尿病実践講座の講師も勤めています。月に一回の糖尿病教室症例検討会を開催し、薬剤師の立場から患者様の問題点を抽出し話し合い患者様を支援するように努めています。
栄養状態が悪いと病気の治りが遅くなるばかりか、合併症を引き起こす原因ともなります。患者様の栄養状態を評価して、栄養状態を改善していくチームです。医師をはじめ、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士の多職種から構成されています。
その中で薬剤師は、輸液の水・電解質・糖質などの確認、薬剤管理指導業務を通して患者様や家族への栄養輸液の説明、医師・スタッフに対する経静脈栄養輸液の情報提供などを行っています。
また、看護部と協力し、経腸栄養剤の「味」の好みを聞き、患者様が好きな味を提供することも役割のひとつと考えます。好みの味でないばかりに栄養剤を飲まない患者様が好みの味を見つけた途端に飲むようになった例を経験しているからです。当院では各病棟に薬剤師が常駐しているメリットを活かし、輸液や経腸栄養剤に関してきめ細かな対応を行っています。
ICT活動とは、院内感染を防止するだけでなく、抗生剤の適正使用を推進することで近年問題となる耐性菌(抗生剤が効かない病原菌)の出現を抑制する上で非常に重要であります。
医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師など多職種で構成され、院内を巡回し環境衛生を管理し、お互いの専門性を活かして院内感染を防止するため、マニュアルの作成、啓蒙活動を行っています。
薬剤部では、耐性菌の発生を予防するため一部の抗生剤については特定抗生剤使用届を提出、管理することで抗生剤の適正使用に貢献しています。