
「誰にとっても過ごしやすい病院へ~LGBTQsの理解を深めよう~」という勉強会は、
「LGBTQsの方々への対応について、以前から気になってはいたけど学ぶ機会がないな」と考えていた
当院総合診療科の松島医師が、「まるっとインクルーシブ病院」という「だれもが安心して過ごせる
医療機関を実装することを目指すプロジェクト」の発起人である金先生と知人であったことから、
院内に勉強会の提案をしたところ、「以前から気になっていた」という職員も多く、
「ぜひお願いしたい」という声が上がり、実現した勉強会です。
院内から多職種のスタッフが多数参加し、あらゆる職種での注目度の高さが伺えました。
院外からもZOOMを通じて参加してくださった方もおられました。

内容は、「LGBTQsとは何を表した言葉?」という基礎知識から、医療現場で出会うさまざまな場面で
どう対応するのが好ましいか、どういう対応は避けたほうがよいか、といった具体例を交えたお話などでした。
例を挙げるなかで、「『こう対応すべき』という『正解』はありませんが……」と、金先生が必ず一言添えられていたのが印象的でした。
勉強会を終えて参加した職員の感想の中には、
「名前の呼び方を気を付けたい」「自分の認識だけで意見を言わないようにしたい」
「情報収集で、込み入った部分を聞きたいが、まずは本人の考えを尊重したい」
といった、すぐにでも取り組めそうな気づきがあった、というものから、
「SOGIEについて整理できた」「たくさんに区別されることを知った」
「対応の中に、”無関心”と”過敏”な対応の両極端が共存している事を知った」
「少数派の方=特別な対応を求めているわけではないこと」
「ひとくちにLGBTQsといっても様々な方がいて、それぞれに最適な対応をするのは難しくても、
受け入れる側の考え方が変わるだけで、安心して診療を受けられる病院に近づけるのではないかと思いました」
など、多くの気づきや学びがあったという声もあり、それぞれの職員にとって有意義な時間になったようです。
金先生、どうもありがとうございました。
また、今回の勉強会後、まずは勉強会で感じたことを伝えあう場を作りましょう、ということで
「感想を語る・聴く会」が開かれました。感想もいろいろと出たなかで、「待合室での患者様の呼び出し方」に
ついて、勉強会の内容を踏まえて具体的な改善の話も挙がりました。それをきっかけに、
「患者様にとってどう対応していくことがより良い方法か」を改めて病院全体で検討することになり、
現在、院内で前向きな議論が進められようとしています。
私たちもまだまだ勉強を始めたばかりですが、少しずつ「誰にとっても過ごしやすい病院」に近づけるよう
これからも取り組みを継続して参ります。
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金先生の取り組みを、より詳しく知りたい、という方は以下リンク先の記事をご覧ください。
・まるっとインクルーシブ病院(note)
・性的少数者の通院困難に挑むプロジェクトが学術大会長賞受賞◆Vol.1
・性的少数者の対応例まとめた「実装支援ツール」作成、医療機関への導入支援も◆Vol.2
(医療従事者専用サイト:m3.com <エムスリー> 掲載記事より)
・「誰もが安心な病院」へ 飯塚市の家庭医療専門医 金弘子さん(西日本新聞より)
・医療機関を、患者も医療者も安心して過ごせる場所に(COFFEE DOCTORSより)