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基本情報

放射線部は川崎病院の医療理念と基本方針のもと、地域医療の中核病院としての使命を果たすべく全職員が患者さんの安心安全を第一に考え、日常の診療に当たっています。そして、健康診断、集団健診はもちろんのこと、がんをはじめとする病気の早期発見、早期診断を的確に行えるよう、一人一人が常にプロフェッショナルとしての自覚を持ち、日々研鑚に励んでいます。

当院には、放射線科のいわゆる外来・病棟はありませんので、患者さんが当部門に来られる時には、主治医の紹介・指示により検査を受けに来られることになりますが、安心して検査が受けられる体制を整えております。

検査機器のご紹介

MRI(核磁気共鳴画像診断装置)

MRIは放射線を使用せず、強力な磁気を用いて体の情報を画像化します。したがって皆さまが心配される放射線による被曝がなく、安心して検査を受けていただけます。

MRI検査は、腰痛の原因となる圧迫骨折や椎間板ヘルニアなどを診断するための脊椎検査や、肩・膝等の痛みの原因となる靱帯・半月板損傷などの整形領域の診断、くも膜下出血の主な原因となる脳動脈瘤の早期発見、その他頭の疾患(脳梗塞・脳腫瘍など)、また、内科だけではなく婦人科や泌尿器科領域の診断などにも欠かせない検査となっています。

CT(コンピュータ断層撮影装置)

CT検査は皆さんがもっともよく耳にする検査ではないでしょうか。放射線科で一番検査数が多いのがこのCT検査です。それだけ良好な画像が安定して得られる検査として広く認識されているということです。

当院のCTはMDCT(64列・デュアルエナジーCT)です。胸部・腹部であれば約3秒で撮影が済むため、一回の息止めで断層像を得ることが出来ます。検査時間が短いため、予約患者さんだけでなく、脳卒中、大動脈解離、急性腹症など、緊急での検査も対応可能です。肺がん・アスベストの精密検査、腹部の一般的な検査や整形領域においても無くてはならない検査となっています。また当院は心臓血管CTにも力を入れています。

RI(Radio Isotope:放射性同位元素画像診断装置)

RI検査は、放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を注射または内服し、人体から出てくる微量な放射線を専用の機器で収集し、それを画像化・数値化することで病気の有無や病状を診断する検査です。

心臓、脳、骨、肝臓、腎臓、甲状腺などの臓器別に検査を行い、心筋梗塞や認知症、がんの有無を調べたり、検査結果に基づき治療方法の判断を行います。また、CT、MRI検査が臓器の形や大きさの変化で診断するのに対し、RI検査は機能(臓器の働き)で診断するため、病状が形態の異常として表われる前に診断することが可能です。

使用する放射性医薬品の量はごく微量で、副作用や人体への影響はほとんどありません。また、検査中は装置のベッドに寝ているだけで比較的短時間で終わりますので、安心して検査を受けていただけます。

血管撮影装置(DSA:Digital Subtraction Angiography)

血管撮影装置は、腕や脚などの血管からカテーテルと呼ばれる細い管を心臓、肝臓などの目的の臓器まで挿入し、その管から造影剤を注入しながら連続的にX線撮影を行う装置のことで、他の装置では撮影しきれない血管の様子をリアルタイムに映し出すことができます。

この装置を使った血管造影検査(アンギオグラフィ)では、血管の走行・形状などが分かるため、血管の狭窄、梗塞、出血、動静脈瘤や撮影された血管が関係する臓器の腫瘍の状態などが診断できます。また、診断と並行して様々なカテーテルを使用し、バルーンで狭窄した血管を広げたり、ステントやフィルター、コイルなどを血管内に留置したりする血管内治療も行うことができます。

不整脈に対して、X線撮影下で専用カテーテルを用いて心臓の筋肉を焼灼するアブレーション治療にも使用されています。

マンモグラフィ(乳房X線撮影装置)

乳房は比較的柔らかい組織でできているために、特殊なX線撮影装置を使って撮影をします。医師が乳房撮影を必要と判断した場合に、一般的には両方の乳房を、方向を変えて撮影を行います。乳房にできる腫瘍には、良性の場合もあれば悪性の場合もありますが、その多くはマンモグラフィで見つけることができます。また、しこりがある場合に、写真を診てそれがどういうものかを判断したり、あるいは触診では見つからない病変を見つけたりすることもあります。

マンモグラフィの撮影は、乳腺の重なりを少なくするために乳房をなるべく均等に圧迫して行います。そのためかなり痛い思いをされる方もいらっしゃいますが、これは情報量の多い写真を撮るためにとても大切なことなのです。

1/10ミリ程度の小さな病変の発見も可能とされるマンモグラフィは、早期の乳がん診断のために非常に有効な方法です。

放射線による被ばくについて

当院では、医療被ばく低減技術を搭載したCT装置を導入し、診断しやすい画質を得ると同時に診断参考レベルを基準にして、可能な限り放射線量を低く抑えるよう最適化に努めております。RI検査についても同様に、診断参考レベルを基準にガイドラインを遵守し、必要最低限の投与量での検査に努めております。

放射線検査は、患者さんが正しい診断を受けるため、治療に役立てていただくために行う検査です。一方、大量の放射線は人体に有害とされていますが、通常の放射線検査での被曝はごく少量であり、被曝の不利益よりも検査により得られる利益が十分大きい場合にのみ、検査を行います。放射線のことが心配で検査を受けなかったために、病気の発見が遅れたり、治療のタイミングを逃したりしてしまうことは避けなければなりません。検査の目的や必要性、撮影部位などに関しては主治医の先生とよくご相談ください。

放射被ばくの早見図

より詳しく知りたい方は、「放射線医学研究所」のホームページをご覧ください。

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