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手外科について

手外科とは、手をはじめとする指・腕・肘の様々な病気を扱う臨床分野です。

当院では、毎週金曜日の午前に専門外来を設け、診療に当たっています。

細かい作業を日々こなす私達の「手」は筋肉、関節、靭帯、神経や血管が組み合わされているため、複雑で繊細な構造になっています。そのため、手が使えなくなると日常生活が不便になり、手が生活にいかに重要であるかと気付かされます。
手は緻密な器官だけに特有の病気やケガも発生しやすく、放置せず専門的な知識と技術を有している日本手外科学会認定の「手外科専門医」による治療を受けることが大切です。

主な手外科疾患

以下の疾患をかかえてらっしゃる患者さんがおられたら、一度当院にご紹介ください。

  • 骨折:手指骨折、中手骨骨折、舟状骨骨折、前腕骨の骨折 等
  • 腱障害:狭窄性腱鞘炎(ばね指)、ド・ケルバン腱鞘炎、伸筋腱断裂、屈筋腱断裂、腱性マレット指 等
  • 神経障害:手根管症候群、肘部管症候群、下垂手 等
  • 変性疾患(いわゆる変形によるもの):ヘバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症、変形性手関節症、TFCC損傷 等
  • 靱帯損傷:母指MP関節靱帯損傷、手指PIP関節側側靱帯損傷 等

骨折

手外科では指から肘までの骨折を担当します。骨折部のズレ(転位)が小さく保存治療可能であればギプスやシーネ固定を行います。骨折の程度、患者様の活動性、年齢、早期社会復帰の希望などを考慮し、手術加療を勧める場合もあります。

狭窄性腱鞘炎(ばね指)

指を曲げる腱が通る腱鞘といわれるトンネルに炎症が生じる、いわゆる腱鞘炎です。
腱が腫れたり、腱鞘が分厚くなることで腱が動きにくくなり、ひっかかり(弾発現症)が起こります。親指と中指に多く、症状が強いと日常生活に支障を生じます。また、長期に放置すると第2関節(親指であれば第1関節)が伸びなくなり治療に難渋します。当院では、腱鞘内にステロイドの注入を行ったり、日帰り手術を行っております。

ド・ケルバン病

狭窄性腱鞘炎が手関節の母指側に生じたものです。

手根管症候群

多くは原因不明ですが、中高年女性に多く生じるのが特徴で、正中神経が手首にある手根管というトンネル内で圧迫された状態です。初期には人差し指・中指がしびれ、最終的には親指から薬指の半分まで指がしびれます。さらにひどくなると母指の付け根(母指球筋)がやせて物をつまむことがうまくできなくなります。初期にはお薬などで治療を行いますが、神経の障害具合に応じて手術を行います。

屈筋腱断裂

指を曲げ伸ばしする腱の断裂です。誤って刃物で受傷したり、骨折後の変形による断裂など受傷理由は様々で、指の曲げ伸ばしができなくなります。母指では1本、他の指は2本の屈筋腱があり、切れた部位によって指の曲がり方が異なります。

受傷後早い時期なら腱をつなぐ手術を行います。切れた部位、原因によって治療法やリハビリ方法は多岐にわたります。手術方法としては腱縫合、腱移行、腱移植、関節固定など様々であり、最適な手術方法を患者様と相談の上決定します。腱断裂術後のリハビリテーションは非常に重要です。特殊な装具を使用して慎重に行うため、多くの場合3週間ほどの入院が必要です。 

母指CM関節症

親指の付け根の関節の軟骨が痛んで変形が生じる疾患です。物をつまむ時や瓶のふたを開ける時など、母指に力を必要とする動作で痛みが出ます。進行すると母指が開きにくくなり、関節の変形は外見からもわかるようになります。
 保存的治療(投薬、固定装具、温熱療法、関節内注射など)が有効です。保存的治療で良くならない場合は手術治療(関節固定術、関節形成術)を行う事もあります。

上腕骨外側上顆炎(いわゆるテニス肘)

物を持ち上げたり、手を捻ったりする動作で、肘の外側が痛み、手を伸ばして物が持てなくなる病気です。テニスをする人に多く発症し、“テニス肘”とも呼ばれます。

手首や指のストレッチを行い、スポーツや手を使う作業を控え、湿布や外用剤を使用することで症状は軽減しますが、数ヶ月痛みが持続するようなら難治性となり、手術が必要になります。

肘部管症候群

肘の内側での神経(尺骨神経)が慢性的に圧迫されたり牽引される事で発症します。肘を曲げた時の神経の脱臼、肘関節の変形、酷使、発達した筋肉による圧迫など原因は様々です。

補助診断として神経の伝わる速度を測る検査(神経伝導速度、筋電図)を行います。しびれが強く日常生活に支障をきたす場合や、筋力の低下や見た目に筋肉がやせている場合は早期に手術加療を行い症状の進行を防ぎます。

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