2026.08.28 お知らせ
【開催報告】8月20日(木)かわさき健康講座 「防災を、医療の視点から学ぶ」を開催しました
この記事のポイント
2026年8月20日に川崎病院(神戸市兵庫区)は、東山町1丁目自治会など地域4団体と共催で、防災をテーマにしたかわさき健康講座を開催しました。日本看護協会認定・災害支援ナース資格を持つ看護師による応急手当の実演と、防災カードゲーム「なまずの学校」を使ったグループワークを行い、子どもから高齢者まで幅広い世代、約50名が参加しました。進行役は地域の中学生スタッフが担いました。
医療の視点から防災を学ぶ講座を開催

2026年8月20日(木)、東山町1丁目自治会、湊川北地区民生委員児童委員協議会、荒田子ども会 地域活動クラブ「ちかく」、荒田あんしんすこやかセンターとの共催により、新湊川ふれあい会館にて、かわさき健康講座「防災を、医療の視点から学ぶ 〜災害支援ナースが教える!応急手当と日頃の備え〜」を開催し、約50名の方にご参加いただきました。
本講座は、日本看護協会が認定する災害支援ナースの資格を持つ当院の成枝由季子看護師を講師に迎え、災害時の応急手当や日頃の備えについて、医療の視点から学ぶ内容として企画したものです。
カードゲームで、防災を「自分ごと」に

当日は、防災カードゲーム「なまずの学校」を使ったグループワークを実施しました。「なまずの学校」とは、NPO法人プラス・アーツが開発した、災害時の判断力を楽しみながら身につけるためのカードゲームです。今回は、数あるお題の中から医療に関連する問いをピックアップし、身近なアイテムを災害時にどう活用するかを、参加者どうしで話し合いながら考えていただきました。
このお題選びの背景には、開催前の準備段階での気づきがあります。多職種で構成される当院の広報ワーキンググループが、開催に先立って実際にこのゲームを体験し、意見交換を行っていました。グループでアイテムをひとつだけ選ぶという設定でゲームを進めたところ、「感染対策の観点からは、こちらの方が適している」「実際の災害現場では、こう使われることが多い」など、職種ごとの視点の違いから意見が飛び交い、大いに盛り上がりました。この体験を踏まえ、当日は医療に関連するお題を中心にセレクトしています。

この日は、子どもからシニア世代までの多世代グループを構成し、この体験を再現する形でカードゲームに取り組んでいただきました。グループ活動を始める前には、発言をするときの心得として、参加者全員でグランドルールを確認。年齢や立場に関わらず安心して意見を言い合える環境づくりを大切にしました。その結果、若い世代のアイディアを尊重しようとする大人の姿や、大人を前にしても物おじせず自由に意見を述べる子どもの姿が、あちこちのグループで見られました。
続いて行われた応急手当のレクチャーでは、成枝看護師が、実際の災害現場で活用されるアイテムを使った応急手当の方法を実演。各グループに複数のアイテムをお配りして、実際に応急手当を体験していただき、会場は終始、熱心な様子でした。
災害時の地域医療を守るために、今できること
中学生スタッフが担った、進行役という大きな役割

今回、荒田子ども会 地域活動クラブ「ちかく」のメンバーである中学生のみなさんが、スタッフとして講座に関わってくれました。
荒田子ども会 地域活動クラブ「ちかく」は、2026年9月から神戸市内でスタートする、中学校の部活動を地域で展開する取り組み「KOBE◇KATSU(コベカツ)」の一環として活動するクラブです。防災や福祉、子どもや高齢者に関わる地域活動には、これまでも中高生が関わる場面がありましたが、その多くは補助的な立場にとどまりがちでした。「ちかく」では、中学生自身の発想や意見を地域活動の運営そのものに活かせる場をつくることを目指しているそうです。
当初は、一スタッフとしての参画をお願いする予定でしたが、日頃から地域活動に取り組んでいる子どもたちだからこそできることとして、各グループの進行役をお任せすることにしました。進行役は、グループの話し合いをリードし、参加者から出た意見を受け止める役割を担います。そのためには、講座の目的や病院が伝えたいことを理解しておく必要があると考え、事前に病院のことやかわさき健康講座について知っていただく時間を設けました。当日は、事前に聞いた病院や講座への思いを胸に、グループの一人ひとりの声に耳を傾けながら、最初から最後まで進行役としての役割を果たしてくれました。
地域に根差した病院として、こうした若い世代の活動を後押しするとともに、地域医療と防災という大切なテーマを次の世代に伝えていきたい——今回の進行役という形での参画には、そうした当院の思いもありました。
災害時の地域医療を守るために、今できること

当院は、災害対応病院として、災害時にも地域の医療を守り続ける役割を担っています。しかし、災害発生直後の混乱の中では、病院だけの力では十分な医療を届けきれない場面も想定されます。だからこそ、日頃から地域のみなさま一人ひとりが応急手当や備えの知識を持ち、互いに助け合える関係を築いておくことが、地域全体の医療を守ることにもつながります。
地域のみなさまに企画・運営から参画していただくことは、地域との協力関係を大切にしたいというかわさき健康講座が大切にしている考え方のひとつでもあり、7月の講座に続き、今回もその形を体現することができました。
世代を越えてつながる、地域の学びの場に

災害が起きたとき、大きな力になるのは地域での協力と支え合いです。今回の講座では、子どもから現役世代、シニア世代まで、幅広い世代に参加していただき、日頃からのつながりを育む場となることを目指しました。
講座の締めくくりに、進行役を担ってくれた中学生スタッフのひとりが語ってくれた言葉が印象に残っています。
―― 「普段関わることのない世代とのかかわりに最初は戸惑ったが、一緒に活動できてよかった」
世代を越えて一緒に学び、活動する時間は、参加者にとっても、進行役として関わった中学生にとっても、多くの気づきを与えるものとなったのではないでしょうか。
おわりに

ご参加・ご協力いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
当院では、地域のみなさまが医療の視点から健康や防災について学べる機会を、今後も企画してまいります。次回のかわさき健康講座もどうぞお楽しみに。
*このイベントは東山町1丁目自治会、湊川北地区民生委員児童委員協議会、荒田子ども会 地域活動クラブ「ちかく」、荒田あんしんすこやかセンター、川崎病院の共催で開催しました