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大腸について

大腸は、食べ物が通る消化管の中で最後の部分になります。
小腸で栄養素を消化吸収された食物の残りが、大腸で水分が吸収され、肛門に至る過程で徐々に固まっていきます。このため、水分の吸収が悪いと軟便や下痢になり、水分が少なくなると便秘になります。
大腸は右下腹部から始まり、おなかの中をぐるりと大きく回って、肛門につながります。長さは1.5〜2mほどの臓器で、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に分かれます。盲腸の端には細い虫垂があり、時として炎症の原因になります。

大腸がんの治療

大腸がんとは大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍ですが、大腸がんの治療には内視鏡治療、外科治療(手術)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などがあります。どの治療を選択するのかは患者さんによって違いますが、大腸がんの深さ(深達度)、転移(リンパ節、肝臓、肺など)、他臓器浸潤、腹膜播種の有無などを総合的に判断して、ガイドラインに準拠した治療方法を提案します。

大腸がんの進行度

大腸がんの進行度(病期)に加えて、患者さんの年齢、持病、体調などを考慮した最適の治療方法を患者さん本人とご家族に説明し、十分に納得していただいた上で治療を行います。

大腸がんの進行度は3つの要素で決まります。

深達度

大腸がんは、粘膜に発生し、大腸壁の中を徐々に深く進みます。がんが大腸の壁のどの深さまで広がっているかを示す言葉が深達度です。がんの深さが粘膜下層にとどまるものを「早期がん」、粘膜下層より深いものを「進行がん」といいます。腫瘍が粘膜下層より深いところまで浸潤すると血管やリンパ管に接することになり、血行性転移やリンパ節転移をきたす可能性が出てきます。

リンパ節転移

粘膜下層に腫瘍が達すると、リンパ管を通ってリンパ節にがん細胞が転移することがあります。そして転移したリンパ節の場所と個数によってリンパ節転移の程度が決まり、それに応じた治療方法を選択します。

腫瘍が存在する大腸の周囲にあるリンパ節を①腸管傍リンパ節、腫瘍近くの血管(支配動脈)に沿って存在するリンパ節を②中間リンパ節、支配動脈が上腸間膜動脈や下腸間膜動脈などから枝分かれする部分に存在するリンパ節を③主リンパ節と言いますが、この3種類のリンパ節(領域リンパ節)の範囲内に転移が止まっている場合には手術により治る可能性があります。

領域リンパ節を超えてリンパ節転移が広がった場合には手術以外の治療方法を検討することになります。

遠隔転移

大腸以外の臓器に転移することを遠隔転移と言います。

遠隔転移には血液の流れに沿って転移する血行性転移と腹腔内で癌細胞が散らばって転移する腹膜播種があります。大腸からの血行性転移を起こしやすい多い臓器は肝臓や肺ですが、それ以外にも脳や骨などに転移することがあります。

大腸がんの進行度はステージ(病期)として分類します。ステージは、Ⅰ期(ステージ1)・Ⅱ期(ステージ2)・Ⅲ期(ステージ3)・Ⅳ期(ステージ4)と分類され、数が大きくなるほど進行したがんであることを示しています。ステージ分類には国内で使用される大腸癌取扱規約によるものと、国際的な基準であるTNM分類によるものがあります。

大腸癌取扱規約による病期分類

病気分類ごとの治療方針

0期〜Ⅲ期大腸がんの治療方針

0期〜Ⅲ期で、腫瘍が切除できる場合には内視鏡治療または外科手術が勧められます。また、Ⅲ期もしくは再発リスクが高いⅡ期の場合、患者さんの同意のもとに術後補助化学療法を行うことをお勧めします。

Ⅳ期大腸がんの治療方針

Ⅳ期では、他の臓器に転移したがん(遠隔転移巣)が切除できるかどうかを判断します。遠隔転移巣、原発巣ともに切除可能な場合は、手術が勧められます。遠隔転移巣が切除可能であっても原発巣の切除ができない場合は、薬物療法、放射線治療などの手術以外の治療法が勧められます。遠隔転移巣の切除が不可能であって原発巣の切除が可能な場合で、原発巣による症状(腸閉塞、出血、穿孔、疼痛など)があるときは、原発巣の手術を勧められることがあります。転移しやすい部位は、肝臓や肺、腹膜、脳、骨などです。初回の検査で切除できないと判断された場合でも薬物療法の効果によって切除可能となる場合があります。

内視鏡治療

内視鏡を使って、大腸の内側からがんを切除する方法です。治療の適応は、がんがリンパ節に転移している可能性がほとんどなく、技術的に切除できる大きさと部位にある場合です。がんの深さでいうと粘膜下層への広がりが軽度(1mm)までにとどまっているがんです。

開腹手術と比べて体に対する負担が少なく、かつ、安全に行える治療ですが、出血や穿孔(せんこう)(穴が開く)が起こる場合もあります。治療のために入院が必要かどうかは、施設によって異なります。

切除した病変は病理検査を行い、組織型やがんの広がりの程度などを確認します。その結果、再発やリンパ節転移の危険性があると判明した場合には、後日追加の手術が必要になることがあります。

切除の方法

切除の方法には、内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があり、病変の大きさや部位、肉眼で見た形(肉眼型)、予測されるがんの広がりの程度などによって治療方法が決まります。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)

主に、キノコのような形に盛り上がった茎がある病変に対して行われます。内視鏡の先端からスネアと呼ばれる輪状の細いワイヤーを出し、スネアを茎に掛けて病変を絞めつけて、高周波電流で焼き切ります。茎のない、1cmまでの小さなポリープに対しては、高周波電流を用いないで、そのままスネアで切り取るコールドポリペクトミーという方法が主に行われます。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

病変に茎がなく、盛り上がりがなだらかな場合は、スネアが掛けにくいため、病変の下に生理食塩水などを注入してから、病変の周囲の正常な粘膜を含めて切り取ります(図1)。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

主にEMRで切除が困難な大きな病変に対しての治療法です(図2)。がんを浮きあがらせるために、病変の粘膜下層に生理食塩水やヒアルロン酸ナトリウムなどを注入してから、病変の周りを高周波ナイフで徐々に切開し、はぎ取る方法です。EMRと比較すると、治療に時間がかかります。また、出血や穿孔などのリスクも少し高くなります。

内視鏡的治療の合併症

治療後に、出血や大腸に穴が開く穿孔が起こることがあります。治療中の出血は少量であることがほとんどです。

出血が起こると、血便が出ることがあります。穿孔が起こったときには、腹痛や発熱などの症状が出てきます。そのほかにも、治療後に何らかの体調の変化を感じたときには、医師や看護師に伝えることが必要です。

外科治療

大腸がんの手術では、腫瘍の部分を中心にがんが広がっている可能性のある腸管とリンパ節を含めて切除します。がんが周囲の臓器にまで広がっている場合はその臓器も一緒に切除します。腸管を切除したあとに、残った腸管同士をつなぎ合わせ(吻合)ます。がんが浸潤によって切除できない場合や、何らかの理由で吻合することができない場合には、人工肛門(ストーマ)をおなかに作ります。

腹腔鏡手術

腹腔鏡下手術は、おなかの中を内視鏡(腹腔鏡)で観察しながら手術を行います。腹腔鏡下手術は開腹手術に比べて創が小さいため、手術後の痛みが少なく回復が早いという長所があります。

開腹手術

腹腔鏡手術が困難な場合には開腹手術を行います。手で直接手術部位を操作するため、手術中に起こりうる想定外のことにもすぐに対応できます。このため、腹腔鏡手術では術野展開や手技が難しい場合でも安全性が高く手術時間も短くなります。しかし、創が大きくなるため手術後の痛みが強く、腹腔鏡手術に比べて回復が遅くなります。また、過去の手術により腹腔内の強固な癒着が予想される場合や、腫瘍の浸潤により複数の臓器を合併切除せざるを得ない場合などにも開腹手術を選択します。腹腔鏡手術で開始しても、手術の途中で開腹手術に移行する場合もあります。

ロボット手術

腹腔鏡下手術と同じように、内視鏡と関節のついたロボットアームを挿入して手術を行います。腹腔鏡下手術と比較して、より繊細な手術操作が可能となると期待されていますが、長期的な治療成績についてはまだ十分には分かっていません。また、ロボット手術には多額の費用がかかるため、それに見合った成果が出るまで川崎病院では導入を見合わせる方針です。

早期癌に対する内視鏡治療については、消化器内科のページをご参照ください

術後合併症

縫合不全、創感染、腸閉塞などが起こることがあります。合併症が起こった場合には、それぞれの状況に応じた治療を行いますが、予定していたより入院期間が長くなります。

縫合不全

腸管を縫い合わせたつなぎ目(吻合部)から腸の内容物が漏れることにより、発熱や腹痛などの症状が出ます。直腸がんのように肛門に近いところでの吻合では、血流などの影響によりほかの場所に比べて縫合不全が起こりやすくなります。感染や炎症が軽い場合は絶食を続ける事により保存的治療で治ることもありますが、難治性の場合には、再手術でおなかの中を洗浄し人工肛門(ストーマ)を作る必要があります。

腸閉塞

手術操作によって生じる癒着により便やガスが腸の中を通りにくくなり、おなかの痛みや吐き気、嘔吐などの症状が出ることがあります。これを腸閉塞と言いますが、手術直後はもちろん手術後数十年経過してから発症する場合もあります。多くの場合、食事や水分を取らずに点滴をしたり、鼻からチューブを入れて胃液や腸液を出したりすることなどで回復しますが、手術が必要になることもあります。

排尿障害

直腸がんをはじめとする骨盤内での手術後に排尿障害を起こすことがあります。排尿を調節している自律神経が影響を受けることが原因ですが、まれに尿が出なくなることもあります。薬で改善することが多いですが、導尿(カテーテルを尿道から膀胱に挿入して尿を採る処置)が必要になることがあります。

排便障害

手術後、腸を切除した影響により排便が不規則になり、下痢や便秘、おなかの張りなどの症状が出る場合があります。多くの場合、手術から1〜2カ月たつと落ち着きます。特に、直腸がんの手術後には、1日に何度も便意を感じることが多くなります。頻回に下痢が起こった場合は、脱水症状を避けるため、水分を多めに取りましょう。担当医から整腸剤を処方されることがあります。また、おなかが張ったり便秘になった場合には、おなかを温めたり、マッサージをしたり、水分を十分に摂取することが大切です。担当医から緩下剤(便を柔らかくする薬)を処方されることがあります。排便や排ガスが全くない場合は腸閉塞の可能性があるため、医師に相談しましょう。

性生活への影響

骨盤内には性機能に関係する神経があるため、男性では、直腸がんの手術後に勃起不全や射精障害などの性機能障害が起こることがあります。多くの人が経験する悩みであり、治療などで機能が回復する場合もありますので医師に相談してみましょう。

薬物治療

大腸がんに対する薬物療法には、以下の2つがあります。

  1. 手術後の再発を防ぐ目的で行う「補助化学療法」
  2. 手術によりがんを取りきることが難しく、症状を緩和する目的で行う「切除不能の進行・再発大腸がんに対する薬物療法」

大腸がんの薬物療法で使う薬には、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬があります。治療は、これらの薬を単独または組み合わせて、点滴もしくは内服で行います。

細胞障害性抗がん薬は、細胞が増殖する仕組みの一部を邪魔することで、がん細胞を攻撃する薬です。分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質などを標的にして、がんを攻撃する薬です。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ(がん細胞が免疫にブレーキをかけるのを防ぐ)薬です。

薬物療法で使用する薬の組み合わせは複数あります。どの種類の薬を使うかは、治療の目的、がんの状態や臓器の機能、薬物療法に伴って起こることが想定される副作用、点滴や入院の必要性や通院頻度などについて、本人と医師が話し合って決めていきます。薬に関する詳しい情報は、治療の医師や薬剤師などの医療者に尋ねてみましょう。

補助化学療法

手術後の再発を防ぐ目的で、Ⅲ期または再発のリスクが高いⅡ期の大腸がんの場合に行うことが推奨されています。補助化学療法では、細胞障害性抗がん薬を内服または点滴で用います。内服と点滴を併用する場合もあります。6カ月行うことが一般的ですが、がんの状態や用いる薬の種類によっては、3カ月で終わる場合もあります。

切除不能の進行・再発大腸がんに対する薬物療法

手術によりがんを取りきることが難しいと診断された場合に行います。がんを小さくして手術ができるようにしたり、がんの進行を抑え、延命および症状を軽減したりすることが目的です。薬物療法のみで完治することは難しいですが、薬物療法を行った方が、生存期間が延長し、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)が向上することが分かっています。

薬物療法を受けることができるかどうかは、以下の条件などを参考に検討し、「適応となる」「問題がある」「適応とならない」の判断をします)。

  • 少なくとも、自分で歩くことができ、身の回りのことを行える
  • 肝臓や腎臓などの主な臓器の機能が保たれている
  • ほかに重い病気がない

「適応となる」のは、これらの条件が満たされており、一次治療の細胞障害性抗がん薬や分子標的薬の併用に問題がないときです。「問題がある」のは、これらの条件を十分に満たさないため、「適応となる」場合と同じ薬を使うことは難しいものの、体の状態や臓器の機能などに応じた薬物療法を受けることができるときです。体の状態が良くない、または主な臓器の機能が保たれていない、ほかに重い病気がある場合は「適応とならない」と判断されます。

また、大腸がんでは、一次治療を始める前に、がんの組織の遺伝子を調べる検査(RAS遺伝子検査、BRAFV600E遺伝子検査、MSI検査)を行い、その結果によって治療を検討することが勧められています。治療は、MSI検査で、MSI-Highの場合(遺伝子に入った傷を修復する機能が働きにくい状態の場合)と、そうでない場合とで分かれます。

また、このほかに、HER2(ハーツ―)と呼ばれるがん細胞の増殖に関わるタンパク質があるかどうかの検査を行うことも妥当と考えられています。

薬物療法には、複数のレジメン(薬剤の用量や用法、治療期間を明記した治療計画のこと)があります。まずは一次治療から開始し、治療の効果が低下した場合や、副作用が強く治療を続けることが難しい場合には二次、三次……と順に別のレジメンを続けていきます。どの段階まで治療が可能かはその人の状況によって異なります。

薬物療法の副作用

細胞障害性抗がん薬は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため副作用が起こります。副作用には、だるさ、吐き気・嘔吐、食欲不振、便秘、下痢、口内炎、手や足の一部が赤く()れたりしびれたりする(手足症候群)などの自分で気づく症状と、白血球の減少、血小板の減少、貧血、肝機能や腎機能の悪化などの検査で分かる副作用があります。

副作用の程度は人により異なりますが、副作用を予防する薬も開発されており、特に吐き気や嘔吐、便秘や下痢は、以前と比べて症状を落ち着かせることができるようになってきました。

分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬は、薬ごとにさまざまな副作用があらわれます。自分が受ける薬物療法について、いつどんな副作用が起こりやすいか、どう対応したらよいか、特に気をつけるべき症状は何かなど、治療が始まる前に担当医に確認しておきましょう。

免疫療法

免疫療法は、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。2022年10月現在、大腸がんの治療に効果があると証明されている方法は、MSI-Highの場合に免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療法のみです。免疫チェックポイント阻害薬を使用する方法は、薬物療法の1つでもあります。なお、その他の免疫療法で、大腸がんに対して効果が証明されたものはありません。

放射線治療

主に、直腸がんの骨盤内の再発を抑える目的で行う「補助放射線治療」と、痛みや吐き気、嘔吐、めまいなどのがんの再発や転移による症状を和らげることを目的とした「緩和的放射線治療」があります。

補助放射線治療

切除が可能な直腸がんが対象で、主に、骨盤内の再発を抑えることを目的に、手術前に行うことがあります(術前照射)。多くの場合、薬物療法と一緒に行います。

緩和的放射線治療

直腸がんなどの骨盤内の腫瘍による痛みや出血、便通障害、骨への転移による痛みや骨折の予防、脳への転移による吐き気、嘔吐、めまいなどの神経症状などを改善する目的で行われ、腹部や頭部などに放射線を照射します。多くの場合、症状が改善します。なお、脳への転移に対する放射線治療には、転移の個数や大きさによって、脳全体に放射線を当てる全脳照射、転移した場所に放射線を集中させて当てる定位放射線照射があります。

放射線治療の副作用

放射線治療の副作用は、放射線を照射している期間中に起こるもの(早期合併症)と、治療が終了して数カ月から数年後に起こるもの(晩期合併症)があります。照射する部位によって、起こる可能性がある副作用はさまざまです。

治療期間中に起こる副作用は、だるさ、吐き気、嘔吐、食欲低下、皮膚炎(日焼けに似たもの)、白血球減少などがあります。頭部への照射では頭痛、嘔気、脱毛が、腹部や骨盤への照射では下痢、腹痛などがあります。

治療後しばらくして起こる副作用は、腸管や膀胱などからの出血や膀胱炎・腸炎、頻回の排便、頻尿、隣接する臓器とつながる穴(瘻孔(ろうこう))ができることなどがあります。

再発した場合の治療

再発とは、治療によって、見かけ上なくなったことが確認されたがんが、再びあらわれることです。原発巣やその近くに、がんが再びあらわれることだけでなく、別の臓器で「転移」として見つかることも含めて再発といいます。大腸がんが再発する部位は、肝臓、肺、局所(がんがあったところの周辺)、腹膜、リンパ節で、吻合部(手術で腸管を縫い合わせたつなぎ目)に発生することもあります。

進行したがんほど再発率は高くなります。粘膜内にとどまるがん(0期のがん)はがんを完全に切除すれば、再発を起こすことはほとんどありません。Ⅰ期では約6%、Ⅱ期では約15%、Ⅲ期は約30%の再発率です。再発する人の約85%は手術後3年以内に、95%以上は5年以内に見つかります。

治療法としては、手術、薬物療法、放射線治療が中心です。再発といってもそれぞれの人で状態は異なりますので、状況に応じて治療法やその後のケアを決めていきます。

手術は、再発した臓器が1つで、完全に切除できる場合に検討します。再発した臓器が2つ以上で、それぞれが切除できる場合は手術を検討してもよいとされています。切除できない場合には、体の状態や再発した部位に合わせて、薬物療法や放射線治療または対症療法が勧められます。

なお、吻合部での再発や局所再発の場合は、手術によって治癒する可能性もあります。がんの再発によって腸閉塞になった場合は、バイパス手術や人工肛門(ストーマ)を作ることで食事ができるようになることがあります。

緩和ケア/支持療法

がんになると、体や治療のことだけではなく、仕事のことや、将来への不安などのつらさも経験するといわれています。

緩和ケアは、がんに伴う心と体、社会的なつらさを和らげます。決して終末期だけのものではなく、がんと診断されたときから始まり、がんの治療とともに、つらさを感じるときにはいつでも受けることができます。

支持療法とは、がんそのものによる症状やがんの治療に伴う副作用・合併症・後遺症を軽くするための予防、治療およびケアのことを指します。本人にしか分からないつらさについても、積極的に医療者へ伝えましょう。

なお、大腸がんでは、がんによって腸がふさがっている場合で、緊急の手術を避けるときや、薬物療法などの治療を行わないときには、症状を和らげるために、ステントと呼ばれるチューブのような器具を入れることもあります。

リハビリテーション

リハビリテーションは、がんやがんの治療による体への影響に対する回復力を高め、残っている体の能力を維持・向上させるために行われます。また、緩和ケアの一環として、心と体のさまざまなつらさに対処する目的でも行われます。

一般的に、治療中や治療終了後は体を動かす機会が減り、身体機能が低下します。そこで、医師の指示の下、筋力トレーニングや有酸素運動、日常の身体活動などをリハビリテーションとして行うことが大切だと考えられています。日常生活の中でできるトレーニングについて、医師に確認しましょう。

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